Top / HOI4 / ユーゴ戦記 −ひとつの国、ひとつの夢ー / 1953年5月 ユーゴ最後の戦い 後編

HOI4/ユーゴ戦記 −ひとつの国、ひとつの夢ー/1953年5月 ユーゴ最後の戦い 後編

目次

1953年5月 ロンドン

イストリアを放棄してから1年と数か月が経過していた。
連日のように繰り返される爆撃、要塞への攻撃、核の投下が繰り返された。
だが連合軍もユーゴの堅い守りを突破できず、こう着状態のまま時だけが過ぎていた。
U0161.jpg

ハリファックス卿.pngまだベオグラードは落ちんのか!
イギリス士官.png核攻撃と戦略爆撃でとっくに要塞も無害化されているはずですが、未だ守りは堅く、攻略の目処がたってません。
イギリス士官.pngこちらの死傷者は甚大です。すでに連合軍全体で1700万人に上っています。

U0160.jpg

ハリファックス卿.png化け物か・・・

1953年5月 ベオグラード

パヴレ1.png参謀長・・・状況を報告せよ。
ヨシップ・ブロズ・チトー.png戦線は徐々に維持できなくなり、すでに本国の国土の半分を失った。
ヨシップ・ブロズ・チトー.png次に陸軍の状況だが、現代戦車は枯渇している。
ヨシップ・ブロズ・チトー.png戦車師団は旧装備である中戦車に切り替えて使っているのだが、いずれ底をつくのは目に見えている。
ヨシップ・ブロズ・チトー.png開戦直後に2万両確保してあった中戦車はすでに半数を切った。機械化歩兵も装備不足で一部は徒歩での戦いを余儀なくされている。

U0162.jpg

ストヤディノヴィッチ.png人的資源も徴兵制度を変えて全成人を徴兵していますが、すでに枯渇しています。
ストヤディノヴィッチ.pngまた戦争協力度も侵略戦争ということもあり、26%となっています。もっともこればかりは本国に加えられる猛爆が原因でもありますが・・・
ヨシップ・ブロズ・チトー.png飛行場はとっくに破壊されて空軍は使い物にならん。空軍要員は陸軍部隊に吸収した。
ストヤディノヴィッチ.png民需、軍需の工場、要塞は戦略爆撃によりすべての活動を停止しております。

U0163.jpgU0164.jpg

パヴレ1.pngこのままジリジリと奈落に沈むか最後の博打をするかだが、参謀長の考えは。
ヨシップ・ブロズ・チトー.png策がないわけではない。ただ、リスクが大きすぎる。
パヴレ1.png・・・言ってみろ。このまま穴に籠って黒焦げになるよりはマシだ。
・・・
ヨシップ・ブロズ・チトー.png名付けて「地獄の穴作戦」だ。
ストヤディノヴィッチ.pngまたここにきてベタですね。
ヨシップ・ブロズ・チトー.png・・・
ヨシップ・ブロズ・チトー.png今、我が軍は国境を堅く守っている。どの方面にも大量の敵が張り付いて来ているが、なんとか防衛できている状況だ。
ヨシップ・ブロズ・チトー.pngそこで敵の師団を一時的に我がユーゴ領土内に引き入れる。
パヴレ1.pngユーゴの領土を使って包囲殲滅するわけだな。
ヨシップ・ブロズ・チトー.pngそうだ。これには部隊を攻撃力の高い装甲師団中心の「地獄の門部隊」と、防御力のある歩兵中心の「地獄の城壁部隊」とに編成し直す。
ヨシップ・ブロズ・チトー.png門はここだ。ここだけが平地プロヴィンスとなっていて、防御は弱くなっている。

U0165.jpg

ヨシップ・ブロズ・チトー.pngここから一時的に軍を撤収し、敵を領土内に引き入れる。
ヨシップ・ブロズ・チトー.png内側に敵軍が入ったら、門部隊は平地プロヴィンスの門を閉じ、敵を包囲する。そのまま中の奴らは組織率切れだ。
ヨシップ・ブロズ・チトー.pngあとは門部隊、城壁部隊が内側になだれ込み、一気に地獄の穴に敵を叩き込む。
ヨシップ・ブロズ・チトー.png門を閉じるまでの間に城壁部隊は外からも内からも敵の攻撃に晒されることになるが、
ヨシップ・ブロズ・チトー.png一箇所でも破れたら組織率切れに追い込むことができない。地獄の穴に落ちるのは・・・
ストヤディノヴィッチ.png我々ということですね。
ヨシップ・ブロズ・チトー.pngそういうことだ。
パヴレ1.png(ひそひそ)どうやら参謀長、このベタなネーミングをずっと温めてたんだろうな。
ストヤディノヴィッチ.png(ひそひそ)そのようですね。
ヨシップ・ブロズ・チトー.png何か言ったか?
パヴレ1.pngストヤディノヴィッチ.pngラッビィーア!!
パヴレ1.png選択の余地はなさそうだな。作戦を許可する。
パヴレ1.pngおそらくこれが最後の戦いだ。やってやろう!ユーゴス!!
ストヤディノヴィッチ.pngヨシップ・ブロズ・チトー.pngラッビィーア!!

1953年10月 ベオグラード

U0166.jpg
ヨシップ・ブロズ・チトー.png編成が大方終わったぞ。配置も完了だ。

U0167.jpg
パヴレ1.png早くしろ。核攻撃で他の壁が破れそうだ。
ヨシップ・ブロズ・チトー.png門を開くぞ!!
ストヤディノヴィッチ.png敵が中に入ってきます!あ、壁が破られました!

U0168.jpg

ヨシップ・ブロズ・チトー.png落ち着け。門部隊も使って、破った奴らを包囲する!
パヴレ1.pngなんとか塞いだみたいだな。

U0169.jpg

ストヤディノヴィッチ.pngそろそろ城壁の中に敵が充満してきています!
ヨシップ・ブロズ・チトー.pngよし!「門」を閉じろ!!
パヴレ1.pngなかなか閉じん!こちらの充足が持たん!
ヨシップ・ブロズ・チトー.png壁部隊も全て使って何が何でも門を閉じるんだ!

U0170.jpg

ストヤディノヴィッチ.png門が閉じたようですぞ!中には約90師団が閉じ込められました。反撃に転じて・・・
パヴレ1.pngまだだ。敵の指揮統制が完全にキレておらん。計画値ボーナスも十分ではない。
ヨシップ・ブロズ・チトー.pngしかしまずいことになった。南の壁部隊が物資不足となっている。奴らがくたばる前に
ヨシップ・ブロズ・チトー.pngこっちが干上がってしまう。

U0171.jpg

パヴレ1.pngやむを得ん。穴を塞ぎにかかるしかないな。全軍、包囲殲滅しろ!
ヨシップ・ブロズ・チトー.png相当硬いが全体的に押している。穴はもうすぐ塞がる。

U0172.jpg

ヨシップ・ブロズ・チトー.pngだが、北西の壁に核攻撃が集中し、限界に来ている。先に破れる前に突破されるかも知れん。

U0173.jpg

パヴレ1.png最後の指揮力を使って強攻するぞ!

U0174.jpg
U0175.jpg
U0176.jpg

ストヤディノヴィッチ.png穴が完全に塞がれました!90師団を殲滅です!
U0177.jpg

パヴレ1.png作戦成功だ参謀長!!
ヨシップ・ブロズ・チトー.pngだが・・・もう壁が限界だ・・・
パヴレ1.pngな、なに・・・!?

U0178.jpg

ヨシップ・ブロズ・チトー.pngくそ・・・もはや・・・

U0179.jpg

ストヤディノヴィッチ.pngあぁ・・・戦線が次々と崩壊していきます・・・・

U0180.jpg

パヴレ1.png・・・ここまでか・・・かくて陽は落ち、一将功ならずして万骨枯る、か・・・

1954年12月1日 ベオグラード

U0190.jpg

ストヤディノヴィッチ.png殿下、残った部隊はベオグラード1プロヴィンスとなりました。
パヴレ1.png・・・各部隊に連絡。各自の判断に基づき、生き延びるための行動を最優先することを許可する。部隊を解散し、落ち延びよ。
ストヤディノヴィッチ.png生き残った部隊の大半は首都ベオグラードに集結しています。命運を共にするかと・・・
パヴレ1.png世の中、案外馬鹿が多いな・・・だがもう十分だ。
パヴレ1.png市民、軍を王宮前の広場に集めてくれ。
ヨシップ・ブロズ・チトー.png殿下・・・
パヴレ1.png集まったか?
ストヤディノヴィッチ.pngはい。殿下、ご覧ください。
ストヤディノヴィッチ.pngスロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、マケドニア、
ストヤディノヴィッチ.pngそしてイストリアから避難した民。すべての人々が集まって殿下を待っています。
パヴレ1.pngよし。
・・・
・・

パヴレ1.png「皆の者、聞いてほしい」
パヴレ1.png「今日、12月1日はこのユーゴスラビアが建国された日である」
パヴレ1.png「だがその歴史も奇しくも今日を以って終わる」
パヴレ1.png「当初、すべての南スラブ人がこの地に集まり、格差をなくしていく、その理念でこの国は建国されたが」
パヴレ1.png「この戦いを経て、その願いを叶えることが出来た。」
パヴレ1.png「この国は亡くなる。しかし、その理念や共有された夢は」
パヴレ1.png「各々の記憶に残り、今後も不滅のものであると信じている」
パヴレ1.png「我々は真にひとつとなった」

・・・

演説の後、パヴレはひとり執務室に入った。
しばらくして、一発の銃声が鳴り響いた。
 

・・・戦争の終わりを伝える鐘の音であった。

・・・
・・

ユーゴスラビア軍は231万人が戦いに参加し、187万人の犠牲者を出した。死傷率は80%であった。
一方、連合軍は6000万人が戦いに参加し、2130万人の犠牲者を出した。死傷率は36%であった。
U0191.jpg

また、終戦までにユーゴスラビアには約70発の核が投下された。
 
甚大な被害に戦勝国も敗戦国も戦慄した。
そしてその事実から目をそらさせるように、連合各国は「侵略国家から世界を救った」と宣伝した。
 
 
歴史は勝者によってのみ、その記録を許される。
 
 
その「侵略戦争」に関わったユーゴスラビアの首脳部は、連合国によって逮捕され、裁判にかけられた。
 
彼らには過酷な運命が待っていた・・・
 
1991年12月 エピローグへ続く


Top / HOI4 / ユーゴ戦記 −ひとつの国、ひとつの夢ー / 1953年5月 ユーゴ最後の戦い 後編