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HOI4/逆上洛/2話:日本が燃え始める時

HOI4/逆上洛

絶対的な支配者のいない世界

1936年12月14日 リニアは南アルプスを迂回する

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門脇は日々の業務に追われつつあったが、最近では一息つく時間ができてきた。その間にたまっていた新聞に目を通していると気になる記事を発見した。それは建設が進むリニアのニュースだった。

(門脇)「ふむ。リニアのアルプス周辺のルート問題は南アルプスを迂回することになったと…。」

    「しかし、完全な合意とは至らなかった?」

    「…気になるな。」

1936年12月27日 東部リニア戦争

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完全な合意とは至らなかったリニアはさらに問題が発展し、ついには武力衝突に至った。この戦争によってルート問題は完全に解決するはずである。

(飯島)「戦争は政治の延長でしたかな?昔偉い人がそう言ったそうです。」

(門脇)「その言葉が本当なら今回の戦争も同じだな。」

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(達也)「どうやらどちらの県も県境を埋めるほどの兵力を用意できていないようですぜ。戦線の穴から積極的に進軍するため、戦線が一日ごとに変化してます。」

達也の指摘の通りに戦線は動き続けた。ある日は包囲が完成したと思えばすぐに解かれ、逆に包囲しようとした部隊が包囲を受ける場面もしばしば見受けられた。

(飯島)「今回も介入する県はないと。自分は東京が介入するのではないかと考えたのですが。何か理由があるのですか?」

(達也)「お前にしては情報不足だな。東京はこっちから見るほど完璧じゃないんだぜ?あいつら、今は食うものすら見つけられない危険な場所だとさ。そんな状態じゃあまともに政治も執れないだろう。」

しかし、達也が知り得る情報よりも東京は悲惨であった。食糧難に加え、政治的腐敗、環境問題、待機児童などの問題が山積みであった。

特に食糧問題は悲惨的であり、統一時代は各地から物が自然的に集まるが、日本が47個の国と同じようになったとなると、そこには輸出と輸入の関係が存在し、なおかつ生産者は自国の物資を確保しなくてはならない。さらに諸外国との連絡が不能になると、原材料の不足も重なった。これらの結果から東京に流れる物資は壊滅的な減少状態に陥ることとなった。

3人とも同じ日本人である彼らを助けたい気持ちはあるが、京都も助けられるほどの自立状態ではないのも承知していた。

1937年1月20日 群馬が栃木領を要求

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(門脇)「冬の風物詩、今年も来たれり…」

(達也)「そんな物騒な風物詩が来てたまりますか!」

(飯島)「でも毎年行われていることだ。意味は通じるはずだ。」

(門脇)「しかし、クーデター後としては初だな。いつもとは違う事が起きても不思議ではない。情報収集に注力してくれるか?」

統一時代が崩壊してからすぐに群馬と栃木は小競り合いを行っていた。しかし、今年は群馬側が明確な要求を突き出した為、大規模な紛争に発展する可能性を示していた。

後戻りのできない島国

1937年3月17日 東部リニア戦争終結

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(飯島)「本当にこれで終わりになったのだろうか…?」

(達也)「どういうことだ?」

(飯島)「現地の調査員の報告が少々不穏な発言をしているのが気になってな。」

リニア戦争による山梨と長野の紛争は激しい支配地域の移り変わりを見せたが、突如として終結に向かい、双方とも講和に持ち込むことが可能になった。これにより戦争は終結した。

―ここまでは全国に知らされていた部分ではあるが、実のところ、現地での緊張は収まる気配を見せていなかったのである、

1937年3月19日 群馬=栃木戦争の開戦

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(ニュースキャスター)「グンマー帝国は先程、栃木に対して宣戦を布告しました。」

(現地リポーター)「こちら群馬と栃木の県境にある高台にいますが、帝国軍が一斉に防衛陣地を超えていく姿が見えるでしょうか!栃木側からも激しい機関銃の砲声が聞こえます!」

(門脇)「ついに始まったか!」

この事態に一番興奮したのは門脇であった。初めて日本でそれなりの規模の軍事力がほぼ同数でぶつかり合う事態となったのだ。

グンマー帝国の栃木への統合への呼びかけは無視されたことで双方とも極度の緊張状態が続いたが、ついに群馬側の宣戦布告により戦争状態となった。

(門脇)「諸君、この戦争をどう見る?そうだな…どちらが勝つかを予想してみてくれ。」

(達也)「賭けですか?」

(門脇)「いやいや、大真面目さ。賭けるものはない。ただ、指揮官としてこの戦争をどう見るかだ。」

達也は報酬がないのには残念だったが、内容そのものは面白そうに感じた。

(飯島)「双方とも軍事レベルでいえばほぼ互角。しかし、軍国主義的な群馬は効率的な軍部の活動ができるため、順調にいけば群馬側の勝利になると思います。」

明確な意見を持つ飯島に対して達也は少々自分の意見に疑いつつあった。しかし、飯島が発言を終えてしまった以上、何かしらの自分の意見を言わねばならない空気だと感じてしまったのだ。

(達也)「私も群馬側優勢とみたいですが、ターニングポイントを作り出すことができれば栃木にも勝機はあります。勝てる要素は十分にあります。地形や、優れた防衛戦を行えれば…」

意外にも、他の二人から激しく追及されることはなかった。達也はただの事実を言ったからである。

1937年4月19日4時 長野と山梨が再び戦争状態に

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(ニュースキャスター)「速報です。山梨と長野が再び戦争状態に入りました。」

(門脇・飯島・達也)「!」

(門脇)「本当に講和はされたのか?停戦からあまりにも早すぎるぞ!」

朝早くから戦争が開始されたことを聞かされた一同は朝食をとらなくてもよいぐらいの目覚めの一発であったと記録されている。

東部リニア戦争は短期間に終結したとはいえ、双方ともダメージは受けていた。だが、補充もままならない中、再び戦争は開始された。

長野が仕掛けた側であるため、一説には先の戦争での講和に満足しなかった軍部の暴走とも、戦争による長野県民の一方的な山梨への憎悪感情が戦争に向かわせたとも言われているが、真相は明らかにされていない。

(達也)「(そんなことよりも一番迷惑しているのは鉄道会社の方かもな…)」

そして、ほぼ同じころ…


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